災とSeeing(15)三六災害(愛知県一宮市・岐阜県羽島市)
所在地
一宮市尾西歴史民俗資料館:愛知県一宮市起字下町211番地
小熊の水防記念碑:岐阜県羽島市小熊町西小熊(県道194号)
■ 一宮市尾西歴史民俗資料館
長野県で被害の大きかった「三六災害」は、愛知県にも被害をもたらしました。旧尾西市(現一宮市)では、小さな河川の多くが氾濫・決壊し、床上浸水・床下浸水は6,300戸を超え、市内の約8割が浸水する大きな被害となりました。
一宮市尾西歴史民俗資料館では、冠水した道路や自衛隊の救援活動など、当時の写真をパネルで展示しています。
また、東海地方では、「三六災害」の2年前の1959年(昭和34年)の伊勢湾台風、翌1960年(昭和35年)8月の台風と3年連続で洪水にみまわれています。
■ 小熊の水防記念碑
「三六災害」で長良川の左岸、小熊の堤防が150メートルにわたって崩れ、決壊寸前になりましたが、住民たちが協力し水防活動に励み、堤防の決壊を未然に防いだことをたたえる石碑です。碑には、「よくぞ守りし此の水防でかしたり小熊の人々」と記されています。専門家は、「決壊した場所に立つ碑は多いが、防いだことをたたえる碑は珍しい。地域の協力や準備の大切さを伝えている」と話します。
小熊の地域では、水防活動を専門に行う「水防団」に現在、住民30人が所属しているとのことです。大雨が降ったときには見回り活動や土のう積み、定時には災害に備えた訓練を行い、地域ぐるみで防災力の向上に努めています。