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災とSeeing

名古屋大学 減災連携研究センター、(株)CBCテレビ、(株)中日新聞社、(一社)中部地域づくり協会 地域づくり技術研究所
災とSeeing(36)三河地震から80年(愛知県蒲郡市)

所在地

宗徳寺:愛知県蒲郡市一色町狭間20
わすれじの碑:愛知県蒲郡市形原町大沢

■ 宗徳寺
昭和東南海地震から37日後の昭和20年(1945年)1月13日、三河湾内の地下約11kmを震源とするマグニチュード6.8の内陸直下型地震「三河地震」が発生しました。三河地震は、活断層に起因する逆断層地震であり、震度は震源地付近では震度7、三河湾沿岸及び名古屋港周辺で震度6、伊勢湾・三河湾岸で震度5以上、当時の形原町では死者233人、住家全壊319棟など甚大な被害となりました。
宗徳寺では、断層が境内の中を走り、本堂は倒壊を免れましたが、本堂の西側に隣接する番神堂(ばんじんどう)が地震による隆起の影響で約1.5m持ち上がり、倒壊しました。これは、逆断層型地震の断層の上盤(持ち上がった側の地盤)に大きな被害が出やすいという特長を表しており、町内の家屋被害も上盤である西側に被害が集中しています。また、宗徳寺の裏山には、三河地震の際に深溝断層に沿ってできた地割れが当時の様相のまま残されており、蒲郡市の天然記念物に指定されています。(※堆積物による埋没の危機のため、平成15年復元整備)

宗徳寺

宗徳寺 看板

番神堂(左)と本堂(右)

番神堂(左)が本堂(右)より石段分(約1.5m)あがっている

三河地震による地割れ

三河地震による地割れ 看板

地割れの様子

■ わすれじの碑
三河地震の33回忌である昭和52年(1977年)1月13日、形原(かたのはら)神社の境内に「わすれじの碑」が建てられました。碑には、「犠牲者の霊を慰め、且つまた後の世の戒めともしたい」という有志の願いが込められています。

碑文

形原神社

■ 周辺地域のトピックス(形原温泉)
蒲郡の温泉郷の中では最も古くから親しまれており、三ヶ根山の山麓、緑の林に包まれた静かな温泉です。泉質は滑らかな肌触りのアルカリ性単純泉で、神経痛や胃腸痛の効能があるといわれています。
また、「あじさいの里」では毎年6月に5万株のあじさいが咲き乱れる「あじさい祭り」が開催されており、運が良ければゲンジボタルを見ることもできます。

■ 周辺地域のトピックス(三ヶ根山(さんがねさん)スカイライン)
国道247号の西尾市幡豆町から形原温泉に至る5.1kmの有料ドライブウェイで、山頂部からの眺望は素晴らしく、蒲郡市街から竹島、渥美半島、太平洋、天気の良い日には伊良湖岬から鳥羽、名古屋市街まで見渡せます。
また、別名「あじさいライン」と呼ばれ、6月には満開のあじさいが沿線を彩り、夏の訪れを告げる風物詩となっているほか、3月中旬は全線にわたり植えられた約7万球のスイセンが見ごろを迎え、春の名物として親しまれています。
三ヶ根山スカイライン第1見晴台からの眺め


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