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災とSeeing

名古屋大学 減災連携研究センター、(株)CBCテレビ、(株)中日新聞社、(一社)中部地域づくり協会 地域づくり技術研究所
災とSeeing(37)浜名湖口周辺の「今切口(いまぎれぐち)」と命山(静岡県湖西市・浜松市)

所在地

今切口(いまぎれぐち):静岡県湖西市・浜松市
おたすけ山(津波避難施設命山):静岡県湖西市新居町新居
今切(いまぎれ)の丘:静岡県湖西市新居町新居431 0302
今切口 防潮堤:静岡県浜松市中央区舞阪町舞阪2668−1

■ 今切口(いまぎれぐち)
明応7年(1498年)8月25日午前8時頃、遠州灘、熊野灘沖を震源域とするマグニチュード8.2~8.4の「明応地震」が発生しました。かつて、浜名湖と太平洋は分かれており、湖水は浜名川を通じて太平洋に流れ出ていましたが、明応地震の津波によって、浜名湖の湖口が決壊し太平洋と繋がったと言われています。浜名湖と太平洋をつなぐ水路「今切口」は、明応地震のほか、永正7年(1510年)の高潮水害など度重なる大災害により、長い時間をかけて形成されました。
今切口東側の防潮堤から今切口を望む

今切口西側(遠江八景「浜名暮雪」)より撮影

今切口東側(防潮堤)より撮影

■ おたすけ山(津波避難施設命山)
遠州灘から直線距離で600mの場所に位置するおたすけ山は、大津波から命を守るため、2017年度に造られました。おたすけ山の高さは地面から6.8m(海抜9.3m)、避難面積約536m2、収容人数約1,071人(1.5m2/人)となっています。
頂上にあるベンチには防災用品等の収納庫としての機能があり、簡易トイレや約200人分のアルミブランケットなどが備えられています。また、太陽光発電式の照明灯が5基設置されており、そのうち1基には携帯等が充電できるよう小電力専用コンセント(100W以下)がついています。

おたすけ山(津波避難施設命山)

ベンチ内 防災用品等の一部

太陽光発電式の照明灯と小電力専用コンセント
 

■ 今切(いまぎれ)の丘
令和7年3月18日、浜名湖の西側・湖西市に命山「今切の丘」が完成しました。高さは、海抜23mと県内最大であり、南海トラフ巨大地震で想定される最大規模「レベル2」の津波から、新居弁天海釣公園の利用者の命を守るために整備されました。収容人数は最大750人で、平常時には浜名湖や遠州灘、晴天であれば富士山を望む観光拠点としても活用されています。

今切の丘

新居弁天海釣公園から今切の丘を望む

■ 今切口 防潮堤
浜名湖の東側・浜松市には、天竜川西岸から浜名湖今切口東岸まで約17.5km続く、高さが最大15mの防潮堤が整備されています。この防潮堤によって、市内の津波浸水面積が約8割低減したと試算されています。

約17.5km続く防潮堤
 


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